011 長野県 諏訪大社の硯石

【Introduction of Iwakura 11】Visit・Photo:2018.5.26/Write:2018.8.16


□分類:磐座(狭義の磐座)

□信仰状況:神社に祭祀されている

□岩石の形状:巨岩単体

□備考:諏訪七石の一つ


□住所:長野県諏訪市中洲

□緯度経度:35°59'52.88"N 138°7'09.12"E

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 諏訪大社は、上社本宮、上社前宮、下社春宮、下社秋宮の4つの社から成り立っていますが、古来からの自然崇拝を色濃く残しており、奈良の大神神社と同様に、本殿を設けずに木や岩を祀る形をとっています。現在の諏訪上社本宮では、拝殿から神居に向う方向(北西から南東)が祭祀方向となっています。南東の神居の中には神仏習合の時代に弘法大師が建てたお鉄塔がありました。

しかし、御柱の番号に注目すると、おかしなことに気づきます。前宮、春宮、秋宮の御柱は、社殿に向かって右前に一之御柱、左前に二之御柱、左奥に三之御柱、右奥に四之御柱が立てられているのに対し、本宮は拝殿に向かって右前に四之御柱、左前に一之御柱、左奥に二之御柱、右奥に三之御柱が立てられています。これは、本来の本宮の祭祀方向が90度変わってしまっていることを意味しています。

四脚門から山に向かう方向が本来の祭祀方向でした。そうすると本宮の周りの御柱の配置が他の前宮、春宮、秋宮と同じになります。

そして、四脚門から山に向かう方向に硯石(すずりいし)があります。

諏訪の地は、洩矢神を祀る洩矢族(後の守矢氏)が支配していましたが、出雲から建御名方神が侵入し、以後、建御名方冨(たけみなかたとみ)神の神裔とされる神(じん)家が大祝を務めました。神家は諏訪氏と名乗り、戦国時代に活躍します。下社は、妃神の八坂刀売(やさかとめ)神を祀り、信濃国造の金刺(かなさし)氏が大祝を務めました。大祝の下には神長官(じんちょうかん)が置かれ上社の神長官は、守矢(もりや)氏が務めました。上社には6個の鉄鐸をつなぎ合わせた「さなぎの鐸」という宝物が残っており、守矢氏が祭祀で振り鳴らしたそうです。

守屋山は、洩矢族の聖山であり、諏訪上社前宮を中心にして祭祀が行われていました。したがって、本宮も守屋山に向かう方向が本来の祭祀方向であり、硯石はモリヤの神を迎え入れる磐座であると考えられます。

この硯石は上部が窪んだ岩と伝えられています。『諏訪大社上社古図』に描かれた位置とは異なっているように見えますし、硯石は嵩上げされたという情報もあり、移動している可能性があります

 


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