【Introduction of Iwakura161】Visit・Photo:2025.2.3/ Write:2025.3.02
□分類:石造芸術作品(非イワクラ)
□信仰状況:信仰の形跡なし。
□岩石の形状:岩群
□備考:十数個の岩石群、一部人工物
□住所:岡山県倉敷市本町
□緯度経度:34°35'48.47"N 133°46'26.45"E
(googleに入力すれば場所が表示されます)
倉敷の美観地区の鶴形山に総鎮守の阿智神社が鎮座しています。
社殿の側には鶴亀の石組【Introduction of Iwakura160】や磐座【Introduction of Iwakura161】があります。
一方、河原武敏(東京農業大学助教授)の『配置図』には、「古代陰陽石組」が記載されています。その場所は、斎館の庭です。斎館は、阿智神社で結婚式を挙げた後、披露宴を行っていた場所で、現在はコワーキングスペースとして利用されています。阿智神社の本殿から120メートル南東にある斎館は、わかりにくい場所にあるためか、人が訪れることは少ないようです。阿智神社を訪れた藤本浩一や八木敏乗もこの場所には触れていません。
看板には次のように書かれています。
「斎館の庭として西より北東に連なる石組は古代の陰陽石組である。江戸時代の陰陽よりも神格化抽象化されたもので、北東側最奥には露出したような巨大な自然石があり、南西にかけての石組は陰陽石的に磐座と磐境を組み合わせている。周辺は明治時代の改造である。(文及び配置図 東京農業大学農学部造園学科助教授河原武敏)平成五年1月吉日 阿智神社」
阿智神社の中では最も数多くの岩石が集積している場所です。1~3メートルの大きさの数十個の岩石で構成されていて、中には3メートルを超える巨岩も存在しています。自然の景観を利用して庭を造っていますので、人工物として良いと思いますが、何処までが自然で、何処からが人工かの区別は明確ではありません。
また、河原が何を根拠として、「磐座」「磐境」「陰陽石」としたのかもわかりません。イワクラ学でいう「陰陽石」は、性器を模った岩石を意味しますが、そのようには見えません。これについては、河原も自ら認めていて「神格化抽象化されたもの」と言い訳しています。なにより、これらの岩石が「磐座」や「磐境」で、祭祀に関わっているのならば、阿智神社が注連縄や紙垂を付けて祀っているはずですが、その形跡はありません。
これらのことから、ここでは、石造芸術作品(非イワクラ)に分類しました。
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