164 岡山県 吉備の中山 神池の環状列石

【Introduction of Iwakura164】Visit:2018.3.13/Photo:2025.2.23/Write:2025.3.15


□分類:石造芸術作品(非イワクラ)

□信仰状況:信仰の形跡なし。

□岩石の形状:石群、環状列石、ストーンサークル

□備考:祭祀跡の可能性はあるがそれを示唆する記録はなく不明。


□住所:岡山県岡山市北区一宮

□緯度経度:34°40'36.89"N 133°51'54.97"E

(googleに入力すれば場所が表示されます)

Google マップは現在の Cookie 設定では表示されません。「コンテンツを見る」を選択し、Google マップの Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Google マップの[プライバシーポリシー]をご確認ください。Cookie の利用は、[Cookie 設定]からいつでも変更できます。

吉備津彦神社(備前)の鳥居から随身門へ向う参道の両脇は池になっていて、神池と呼ばれています。神池に吉備の中山が写り、庭園のような景観です。

昔は、児島湾から笹ヶ瀬川を通って吉備の中山まで舟が入り、海とつながっていましたので、吉備の中山の周辺には、川入をはじめ、川、瀬、浦、島、津といった海に関係する地名が多く存在しています。吉備津の「津」もまた、船着場を意味する地名です。この神池も吉備の中山に参拝するための港であった可能性があります。

この池には、鶴島(靏島)、亀島、五色島という3つの島があります。鶴島の鶴島神社には、底筒男命、中筒男命、表筒男命、神功皇后が祀られていて、亀島の亀島神社には市杵嶋姫命と宇賀魂命が祀られています。

8月2日(昔は旧暦6月28日)の吉備津彦神社(備前)の御田植祭では、この神池で御斗代(みとしろ)神事が行われます。神池の上に突き出た棚の上で、祝詞をあげて三本の苗を植える神事で、夜中に鶴島と亀島で同時に行われます。昔は、神池に苗を直接植えていたようですが、暗闇の中で行われる神事は非常に重要な儀式です。その儀式がこの神池を対象にしていることは、神池がただの庭園ではないということを意味しています。島の周りは岩石が組まれていますが、乱雑な組み方で、石を斜めに飛び出させたりしています。亀島の南側の五色島に石を円形に並べた環状列石が存在しています。薬師寺慎一氏は、『「吉備の中山」と古代吉備』の中で「古い神祭りに関わるものとして間違いない」と書かれています。五色島の隣が吉備津彦神社(備前)の社家である王藤内(おうとうない)の屋敷跡であるということも考慮する必要があるかもしれません。

環状列石は、吉備の中山の近くの楯築遺跡や真宮神社にも存在しています。また、吉備津神社(備中)の内宮は環状列石の場所に社殿が建てられた神社でした。これらの環状列石は、祭祀を行う場所の周りを結界するために岩石を並べたものですので、この神池の環状列石でも祭祀が行われていた可能性は否定できません。

しかし、神池の環状列石については、何も記録が残っていないため、神池の築造時に造られた装飾なのか、古い時代から残る祭祀場の跡なのか判断ができません。

ここでは、石造芸術作品(非イワクラ)に分類しました。

#イワクラ #磐座 #巨石 #megalith #古代祭祀 #巨石文明 #古代文明 #岡山県 #岡山市 #吉備津彦神社  #備前 #神池 #亀島 #鶴島 #五色島 #環状列石 #ストーンサークル #御斗代


本ページのリンクおよびシェアは自由です。

最近、本ページの内容をそのままコピーして転載しているサイトを見かけますが、本ページの内容、テキスト、画像等の無断転載(複製して他の媒体に公開)を固く禁じます。特に、まとめサイト等への使用を厳禁いたします。また、出典を明記しての引用は許可していますが、以下の引用のルールに則って行ってください。それ以外は「盗用」「剽窃」となります。1.引用元が明示されていること/2.引用部分が明確に区別されていること/3.引用部分を修正していないこと/4.引用する必然性があること/5.分量的にも内容的にも、自分の著作部分が主で、引用部分が従であること


[さらに詳細な情報]