135 三重県 上之郷の石神

【Introduction of Iwakura 135】


□分類:岩石信仰(広義のイワクラ)

□信仰状況:民間に祭祀されている

□岩石の形状:石群

□備考:


 □住所:三重県志摩市磯部町上之郷

□緯度経度:34°22'57.500"N 136°48'31.539"E

 

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 上之郷の石神は、伊雑宮の真北250mの地点に鎮座しています。大きめの岩石と、小さな2つの岩石に注連縄が巻かれて祭祀されています。その他にも小さな岩石があり、その岩石の配列に意味がありそうではなく、斎つ磐群(ゆついわむら)という状況です。

2012年に伊雑宮を訪れた時には、この上之郷の石神には気が付きませんでしたが、2016年に訪れたときに、「志摩の三大石神」というポスターが目にとまり、ここを訪れました。ちなみに後の2つの石神は、志摩市阿児町の横山石神神社と鳥羽市白木町の石神神社のことを指しています。これとは別に「鳥羽三女神」というものもあり、鳥羽市相差町の神明神社の石神さん、三重県鳥羽市安楽島町の伊射波神社、三重県鳥羽市河内の彦瀧大明神を指しています。どうも、これらは観光キャンペーンとして神社を三つに括って取りあげたようです。

上之郷の石神について、植島啓司氏の『伊勢神宮とは何か』(2015)には、「谷ノ神社」として紹介され、「谷ノ神社は神籬の跡がかすかに認められるものの、もはや原形をとどめないほど荒廃している比較的大きめの磐座に注連縄が巻いてあるのに気づかなければ、そこがかってま信仰の対象だったとは考えられないだろう。」と書かれており、鳥居や参道を設けて整備されたのは2016年のこの「志摩の三大石神」というキャンペーンの時のようです。

昭和以前の文献に全く記載のない上之郷の石神の祭祀がいつから続いていたのかはわかりません。この上之郷の石神から近い伊雑宮の神体山は、4キロメートル離れた青峰山との説が有力で、頂上には倭姫が天照大神を祀った巨石があるそうです。この青峰山の神を上之郷の石神に降ろして祀っていたかもしれませんが、今となっては、全くの推測に過ぎません。

とはいうものの、現在は丁寧にお祭りされていますので、岩石信仰(広義のイワクラ)に分類しました。また、「石神」と名前が付いていますが、磐座として祀っているのか、石神として祀っているのか、判断はできませんので、岩石信仰にしました。おそらく「石神」の意味とは関係なく、キャッチ―な言葉として「石神」を用いているのだと思います。

 

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