152 愛媛県 浮嶋神社の磐座

【Introduction of Iwakura 152】


 

□分類:磐座(狭義の磐座)

□信仰状況:神社に祭祀されている

□岩石の形状:岩群、3個の岩が並ぶ。平石。

 

□備考:3個の岩がそれぞれ、3柱の御祭神の依代とされている


□住所:愛媛県東温市牛渕

□緯度経度:33°47'23.90"N 132°51'02.17"E

  (googleに入力すれば場所が表示されます)

Google マップは現在の Cookie 設定では表示されません。「コンテンツを見る」を選択し、Google マップの Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Google マップの[プライバシーポリシー]をご確認ください。Cookie の利用は、[Cookie 設定]からいつでも変更できます。

浮嶋神社は、浮穴(うけな)郡の一宮で、『日本三代実録』に「伊予国浮嶋神に神位従五位の下を授く」と書かれている古い歴史と格式のある神社です。

三社御面(さんじゃごめん)という鎌倉から室町時代に作られた面が祀られており、雨乞いと雨止めの霊験があらたかであったと伝わります。

御祭神は、可美葦牙彦舅尊(うましあしかびひこぢのみこと)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)からなる浮嶋神と、大山積命(おおやまづみのみこと)、雷神(いかづちのかみ)、高龗神(たかおかみのんみ)からなる三島神が祀られています。大山積命、雷神、高龗神は、越智益躬が大山祇神社の御分霊を祀ったと伝えられているので、もともとの御祭神は、可美葦牙彦舅尊、伊弉諾尊、伊弉冉尊である。中でも可美葦牙彦舅尊を祀る神社は珍しく、この神社の主神と考えられます。

『古事記』の冒頭部分、「天地初めて発りし時に、高天の原に成りませる神の名は、天之御中主の神。次に、高御産巣日の神。神産巣日の神。この三柱の神は、みな独神と成りまして、身を隠したまひき。次に、国稚く、浮ける脂のごとくして、くらげなすただよへる時に、葦牙のごとく萌え騰る物によりて成りませる神の名は、宇摩志阿斯訶備比古遅(うましあしかびひこぢ)の神。次に、天之常立の神。この二柱の神も、みな独神と成りまして、身を隠したまひき。上の件の五柱の神は、別天つ神ぞ。」に登場する神様です。

『古事記』では、4番目の神として登場しますが、『日本書記』では本書には登場せず、一書の第二、第三では、最初に現れた神として登場し、一書第六では、2番目に現れた神として登場します。この神様は、葦が芽吹く様子を神名としていることから、生命の起源を意味していると考えられます。この神様が数多くの神を産むイザナギとイザナミを従えているのも相応しいと思います。

筆者が2013年に訪れたときに、相原宗正宮司にお願いして玉垣内の磐座を見せていただきました。拝殿と本殿は南北に配置されていて、磐座は拝殿と本殿の間の東側に鎮座しています。1~2メートルの大きさの三つの岩があり、中央が可美葦牙彦舅尊の依代、左右が伊弉諾尊と伊弉冉尊の依代とされています。

どの岩石も上部が平らな平石です。中央の可美葦牙彦舅尊の磐座は中央部が窪み、神様が座りやすいような岩です。これらの岩石は、社殿が建てられる前からこの地にあって祭祀されていたと考えられます。現在、神社が磐座として祀っていますので磐座(狭義の磐座)に分類しました。

 

#イワクラ #磐座 #巨石 #megalith #古代祭祀 #巨石文明 #古代文明 #愛媛県 #東温市 #浮嶋神社 #可美葦牙彦舅 #宇摩志阿斯訶備比古遅


本ページのリンクおよびシェアは自由です。画像や文章を抜き出して 引用する場合は出典を明記してください。リンク、シェア、出展を明記しての引用は許可していますが、「転載」、「盗用」、「盗作」は禁止しています。最近、このページの内容をそのままコピーして転載しているサイトを見かけますが、まとめサイト等への掲載や転載は禁止します。


[さらに詳細な情報]

しまなみ海道と松山のイワクラ