083 兵庫県 淡路島の雨乞山の磐座

【Introduction of Iwakura 83】


□分類:磐座(狭義の磐座)

□信仰状況:神社に祭祀されている

□岩石の形状:巨岩組

□備考: 周辺に岩石群


□住所: 兵庫県淡路市生穂

□緯度経度:34°27’34.12”N 134°55’13.13”E

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淡路島津名の東海岸に雨乞山があります。頂上の小さな広場は公園になっていて、その眺望は素晴らしく淡路八景にも選ばれている景勝の地です。

掲げられた看板によると、江戸時代の明和から天明年間(1766~1784年)の大飢饉が淡路島にも大きな被害をもたらしたとき、この山で雨乞祈願をしたところ大雨が降ったので雨乞山と名付けられました。その雨乞いは、山頂に水の神様の「貴船」の神と、火の神様の「愛宕」の神を祀って松薪を焚き、蓑笠の雨具をつけて「大雨たんもれ、じんぐいな、天に大雨ないかいな・・・」と唱えながら、鉦と太鼓を打ち鳴らして、里人が交代で数日間山に篭って祈願を続けたといいます。

この山の頂上に登るには、何重にも縦に積み重なった岩群を越えることになります。これらの岩群の中には、御社岩、焚火岩、龍越の岩、覗岩などの名前が付いた岩もあります。雨乞山から南西に500メートル離れた場所に賀茂神社が鎮座しています。『上賀茂神社社記』に、538年に賀茂神田を60余国に置いたとの記述があり、その神田の一つが生穂の庄であったと考えられています。この賀茂神社が雨乞山を神が宿る山として往古より遥拝してきているので、雨乞山の岩石群は磐座と考えられます。そして、その信仰は江戸時代よりも、はるか昔に遡るものでしょう。

 

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