【Introduction of Iwakura 122】
□分類:目的不明の岩石遺構(広義のイワクラ)
□信仰状況:民間に祭祀されている
□岩石の形状:巨岩単体
□備考:人工物と推測、中腹に剣岩がある、頂上に勾玉岩があった
□住所:兵庫県芦屋市六麓荘町
□緯度経度:34°45'13.93"N 135°18'21.97"E
(googleに入力すれば場所が表示されます)
1931年(昭和6年)頃に20回にわたって六甲山を調査した神道家の荒深道斉は、東六甲南剱嶺に後に鏡岩と呼ばれる岩を発見して以下のように述べています。「剱座神籬の南麓六麓荘の西方の山○に八咫鏡に擬したる巨石を従へたる数丁に亘る神籬ありて何れも古事記日本書紀に載せたる吾天孫民族の古傳に符合するものにて・・」荒深道斉:『天孫古跡探査要訣』(1939)より)」。
荒深道斉は、非常に短時間の間に、剣岩やこの鏡岩を発見しており、おそらく現地にこれらの岩石に関する何らかの言い伝えが残っていたのではないかと思います。
その鏡岩は、ごろごろ岳の頂上から1500メートル南東に下った麓にあります。以前は、芦屋大学の構内を通らせていただいて鏡岩に行くことができましたが、今はこのルートは閉ざされています。また芦屋大学から北に向っては住宅が密集しており山に取りつくことはできません。したがって山の方から周りこんでアプローチするしかありません。
鏡岩は、他に類を見ない不思議な形をしています。直径4メートル程の円形をしており、丸い面の周りに花弁状の縁取りがこしらえてあります。これを八咫鏡(やたのかがみ)であると比定した荒深の気持ちは良く理解できます。この形状が風化現象によって形成されたとは考えにくく、人工的に加工された巨岩が風化したと考えられます。荒深が発見した時から東側の花弁が崩れており、このまま忘れ去られてしまうイワクラの一つではないでしょうか。また、荒深道斉の遺志を引き継いだ「道ひらき会」によって神聖視されている岩石でもあります。
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