【Introduction of Iwakura 77】
□分類:岩石信仰(広義のイワクラ)
□信仰状況:神社に祭祀されている
□岩石の形状:巨岩単体
□備考:
□住所: 京都府京都市山科区小山御坊ノ内町
□緯度経度:34°58’55.5”N 135°50’25.2”E
(googleに入力すれば場所が表示されます)
山科区小山の山の中腹に白石神社が鎮座しています。岩屋神社から北東1.6キロメートルの所にあたります。社殿の横に、幅9メートル、高さ4メートル、奥行3メートルの巨岩が祀られており、古代から磐座信仰があった場所と考えられています。『比留田家文書(1705年)』によると、大同年間(806~810年)に朝廷から勧請され、白石大明神と呼ばれたようです。現在の白石神社の御祭神は、伊ざなぎの命、伊ざなみの命となっていますが、これは後付けで、元は白石に対する自然崇拝であったことは明らかです。
また、この周辺一帯は、安土・桃山時代から1955年頃まで岩石を切り出していた小山石切場で、特に伏見城の築城にはこの場所の岩石が用いられたようです。山の中から岩石を割ろうとした矢穴列や岩石の所有を示す大名刻印がある岩石が数多く見つかっています。
この白石神社の白石の上部にも矢穴列があり、当時、この岩石を割ろうとした形跡が残っています。途中まで作業をして白石を割らなかった理由は、村人の嘆願によるものか、祟りを恐れたものなのか、わかりませんが、割って運び出すことを諦めたために今も残っているのです。
当初の白石は磐座信仰、白石大明神として祀られたときには石神信仰と考えられますが、詳細は不明なため岩石信仰としました。
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