132 三重県 二見ヶ浦の夫婦岩

【Introduction of Iwakura 132】


 

□分類:信仰設備、天文利用のための岩石遺構(広義のイワクラ)

□信仰状況:神社に祭祀されている

□岩石の形状:双岩、メンヒル(立石)

□備考:人工物


 

□住所:三重県伊勢市二見町江

□緯度経度:34°30'33.537"N 136°47'17.894"E

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三重県の二見ケ浦の夫婦岩は、日本で最も有名な岩石です。その前には、二見興玉神社が鎮座し、古来より、この場所で穢れを落としてから伊勢の神宮へ参拝すると言い伝えられています。

夫婦岩は、高さ9メートルの男岩と高さ4メートルの女岩からなっています。この岬が、立石崎と呼ばれていることからわかるように、男岩は立石、女岩は根尻岩と呼ばれていました。夫婦岩と名付けられたのは明治以降です。

そして、夫婦岩から700メートル沖に興玉神石という岩石が沈んでいます。江戸時代の地震で徐々に沈み、安政の大地震(1854年)で海中に姿を消した磐座で、高さ7.5メートル周囲850メートルの大きさの岩石だと言われています。今では見ることができない興玉神石ですが、海中に没した後も興玉神石に付く藻を刈る藻刈神事が執り行われています。この興玉神石は内宮の御垣内にも祀られている興玉神が降臨する磐座と考えられます。このようなことから、夫婦岩は 岩門として存在し鳥居の役目をするものだと考えられます。つまり、みなさんが夫婦岩に参拝するとき、沖の興玉神石を参拝していることになるのです。

二見興玉神社では、夏至の日に朝日を拝む夏至祭が執り行なわれています。夏至の太陽が夫婦岩の間から昇ります。夏至の日に、神々しい光の中を海からやってくる神が最初に降り立つ場所が興玉神石であり、その鳥居の役目をするのが夫婦岩となるのです。この興玉神は、猿田彦大神と考えられています。猿田彦大神は道案内の神であるとともに太陽神の性格も持ち合わせていますので、この光景に相応しい神様です。

さて、この夏至の日の出の太陽は、夫婦岩の間から遠くに見える富士山の上に昇ります。つまり、夏至の太陽は、富士山を通過し、興玉神石を横切って夫婦岩に到達するのです。この現象が自然に起こるのは奇跡的な確率ですので、人工的に仕組まれていると推測します。岩石遺構と太陽の関係の分類(平津豊、AASJ,2022-1,Vol4)で考えると、夫婦岩は観測の目安にはなりますが、その間の9メートルは広すぎてスリットの役には立ちませんので、スリット型B-1は成立しません。興玉神石が対象点であり、富士山が補助点のノーマルA-2型に分類すべきかと考えます。この場合、対象点と補助点が200キロメートルも離れているため方位の精度は非常に高いことになります。

また、現在の女岩は、1918年の台風によって根元から折れてしまったものを1921年に鉄筋とコンクリートでつなぎなおしたものですので、その意味でも夫婦岩は人工物です。 

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